RALEIGH / ラリー(RED MOTEL / レッドモーテル)
“SPACE RENDEZ-VOUS” TWO-TUCK TROUSERS (GRAY / Wide Tapered)
¥34,980円(税込)
LOUD PARK 09でのベストライヴアクトと呼び声高い FIREBIRDが遂に登場!!
Interview. BILL STEER(gt.vo.hm) Interviewer. 遠藤博美(SIDEMILITIA.inc代表) All photo. Masayuki Noda
遂に<NAPALM DEATH><CARCASS>で新しい「音楽ジャンル」を確立させた伝説的な方とのインタヴューです。
ビル氏とはそれはもう・・・20年以上のお付き合い(リスナーとして)ですので、嬉しいに決まっております。
予想通りのもの凄い英国紳士な方でした。静かにスタートです。
● まずは初期の活動から貴方のギタープレイを聴かせて頂いていたので、お逢い出来てとても嬉しいです。
一応今年35歳なのでオールドスクールファンですよ(初期からBILLが参加している音源のヴァイナルレコード持参!!)今日は宜しくお願い致します。
BILL
フフ・‥有り難う(笑顔)
● 僕は今作を聴いて直ぐに感じた事が有ります。
今までの作品は、「ブルースロック」がしたくて、プレイしたら「ブルースロック」になった。
しかし、最新作は、「気持ちのまま」にプレイしたら、「ブルースロック」になった。
それ位に、「アコースティック」といった意味では無く、ただ「ナチュラル」になった作品だと感じたんです。
ご自身ではそんなに違いは感じていないと思いますが、この感想を聞いてどう思います?
BILL
そう、その通りだと思う。
『何かになろう!』とか『何かを目指そう!』といった考えはもう止めたんだ。
元々は自然のまま成り行きに任せるタイプではあったのだけど、「ナチュラルに/自然に」って言うのが、今の「僕の哲学」だからね。
自身をセンサーシップにかける様な事はしないで、頭から出てくる物を、そのまま出していこう!ってね。
だから今作(grandunion)の製作中に思ったのだけれど、次回作はもっと「精神的に自由」なアルバムになると思う。
ヘヴィな音楽が浮かべばヘヴィに/ソフトな音楽が浮かべばソフトにねっていう。
● やはりそうでしたか。
後は無意識の中に良い意味での「ポピュラリティー」な空気感も感じました。
レッド・ツェッペリン/フリー/フリーウッド・マック/ハンブル・パイの様な、聴き手に自由な楽しみ方が有る感じです。
ディープな音楽ファンはディープに聴けるし、一般的な方には普段の聴いているような感覚で聴けますし。
先程お聞きした「ナチュラル感」にも通じますが、この感想に関してはどうですか?
BILL
エッ本当に!?それは驚きだな(笑)
でも、そうなんだ。今回のアルバム(grandunion)は今までと違って「創り込んでいない」んだよ。
勿論、ライヴでは出来ない「スタジオならではの事」もやってはいるけど、ある意味では飾り気の無い、余計なレコーディングはしなかった。
ギターだって基本的に1本撮りだし、ヴォーカルもベーシック。
そう全体的にアプローチが「ベーシック」なアルバムなんだよ。
君が言っている通り、確かに何かが違う。
音なんだろうか?選曲なんだろうか?どれかは判らないけど、凄く人の心を掴む「分かり易い部分が有る」って気はするね。
● 近年は伝説的なバンド<CARCASS>の再始動が有りました。
今作の飛躍的な素晴らしさは、<CARCASS>を再始動した事によって「自分自身/周辺の声」からの「呪縛」が取れて、自由に羽を拡げられたからかなぁ?と感じていました。
凄い最近、気持ち良さそうですもん(笑)スッキリしました?
※CARCASS・・・85年頃に結成した正に伝説のバンド。現在はジャンルを確立した「ゴア・グラインド」を浸透させた功績は計り知れないものが有る。ジャケットデザイン/音質/楽曲/アプローチ全てが過剰すぎる存在で、現在でも彼らを越える存在(知名度/過激さ)は現れていない気がする。現在とは対極な音楽性です。
BILL
確かにそれは有るかも知れない。
<CARCASS>を再始動した事によって、自分の中の「名誉が一巡したような感覚」を得たし、また自分の過去と向き合う事が出来た。
昔からの仲間が集まって10代〜20代前半の頃に創った音楽を「追体験」するという事で・・・無意識だけど、確かに「勉強」にもなった。
それで実感したのは『音楽は音楽なんだ!』って事かな。
音楽は「学問」ではないのだから、聴いて楽しいと思えれば「それで十分」なんだ。
改めて分析するのは「仕様が無い」と気付き直したよ。
というのも、僕も一時期は「MUSIC SNOB」(音楽知識をひけらかす気取り屋さん)になっていた時期があって『シリアスな音楽しか聴きたくない』みたいな。
でもそれって凄い「不健全」な捉え方で、例えばギターのリフだって理屈では無く、本当にエネルギーを込めて演奏すれば「それだけで意味が有る」訳なんだ。
その感覚が<CARCASS>を再始動して改めて判った事かな。
● 「ブルース」と言われる音楽は、今までの「ハードコア/メタル」よりも、実はもっと壁の高い音楽です。
基本的にビルの様に年齢/経験を積んでいても「若手」とみなされ、「クラシック/ジャズ」の世界と同様に「否定する」ファンが多い筈です。
実際、アレだけの長い期間ブルースを愛している<ERIC CLAPTON>や<GARY MOORE>ですら、ブルースサイドからしてみれば未だに『ロック畑の奴らが趣味でしやがって』と偏見が有るのも事実です。
何故、貴方は<NAPALM DEATH>や<CARCASS>同様に、音楽界の“苦悩の道”を突き進むんでしょうね?(笑)
BILL
ハッハッハ・・・(薄ら笑い)
先ずは僕は「ブルース・ミュージシャン」と思っていないよ(笑)、あくまでも「ロック・ミュージシャン」だと思っているから。
それを前提として聞いて欲しいんだけど、確かに昔のブルース系を沢山聴き込んだ時期も有り、そこから学んだ事も多い。
それまでは「ファストな音楽」ばかり演奏していたから、「スロウな音楽」をやろうとすると良いフレーズがなかなか浮かんでこない。
そこで「聴く分」には簡単に聴こえるが、「やるとなると」とんでもなく難しいという苦悩が生まれ、そこから凄く色んな事を学べた事実が有るんだ。
でもね、ここまで色んな音楽や経験を重ねてくると、ある意味「自分が飽和状態に達している」と思えてくるんだ。
だからこそ今は自分にとって「必要な物だけを選ぶ段階」にきていると思えている。
<FIREBIRD>に対しても僕からは「ブルースロックバンド」と言った事は一度も無いんだ。
「ロックバンド」又は「オールドスクールなロックバンド」と居ているんだ。ただ今の時代で僕らを「ブルース・ロック」と表現される理由も判る。
今作に収録している<blue flame>なんかを聴いて貰えれば判ると思うけど、<CREAM>等のブルースロック・バンドよりも、インテンス(強い)でラウド(激しい)な音だと思うけど、<SLIPKNOT>や<QUEENS OF THE STONE AGE>の隣に並べれば、確かに「ブルースロック」と言われてしまう(笑)その辺は理解出来るよ。
● 日本には古来から人間の感情を表す言葉で「喜(パッピネス)・怒(アングリー)・哀(サッドネス)・楽(エンジョイ)」って言葉が有ります。
貴方が最も影響を受ける/好きな感情って個人では無く「クリエイター」として、どれになりますか?
BILL
それが全てミックスされていてこそ「興味深い音楽」になると思うが・・・内面を見つめたくなる様な「哀しい曲」も好きだけど、他の要素も入っていないで「嘆きだけ」を感じてしまうと、僕にはちょっと「ヘヴィ過ぎる」かな(薄笑)。
敢えて色んな感情が絡み合って「矛盾」が感じる曲が興味を感じられるね。
陽気な曲なのに歌詞が重かったりする組み合わせの「妙」に惹かれたりするね。
※ 途中感想・・・この質問は好評ではあるが、そろそろアレンジした方が良いな(笑)でもこの解答は僕自身の「カルチャーに対する物の見方」と非常に近さを感じて共感しました。イベントで<ブルースの後にグラインドコアを流す>着こなしで<細いのが流行ったら太いスタイルを着る>とかね。
BILLもやっぱり「天の邪鬼」なんですね(笑)
● 確かに全てが有っての感情なのは僕も判るんです。言い方が悪かったかも知れません。
僕は全てのカルチャーで哀しさを表現して「辛くさせない作品」って音楽だと思うんです。
「哀しさ」を“反省”や“教訓”といった感情では無く、“力を湧かせさせる”のが「音楽」だけだと思うんです。
BILL
凄い良い指摘だし、非常に素敵な捉え方を君はするんだね!
本当にその通りだと思う。
● 有り難う!!次の質問が一番御聞きしたかった事です。
音楽のジャンルや形式では無く、精神的にハードコア/パンクのマインドがビルは今でもずっと有ると思います。
どんな事を守っていますか?また大事に考えていますか?
BILL
正に君は「エクストリームな質問」をするね!(笑)面白いよ。
そのスピリットを言葉に表すと「極端に走る/とことんやってしまう」って事かな。
<NAPALM DEATH>にしても<CARCASS>にしても、最初からもの凄いエクストリームな事をやっていたのだけれど、<CARCASS>の場合は後半に音楽の幅を拡げた。
ただ拡げただけで「半端な事」はやったつもりは無い。
トラディショナルなメタルをしたくなったら、それを本気で導入するし、ハーモニーギターにしても「とにかくタイト」で纏まってないといけないなど、本当に突き詰めたんだ。
で、<FIREBIRD>もその点では一緒なんだ。
ブルータルまでにヘヴィな音という事も仮想として思っているが、既に過去やった事の「焼き直し」はしなくなかった。
『1から始めよう』とい姿勢で始めたのが今のバンドさ。
だから「やると言ったらとことんやる/突き詰める」といった事が僕の「ハードコア精神」なんじゃないかな?
● グレイト!!
ハハッ!!(お互いが手を差し伸べる)
※途中感想・・・これこそ、BILLに惹かれ続ける事なんだと実感しました!!
<OUTRAGE>のインタヴューでも同じ様な事をおっしゃていましたが、僕は「突き詰める=馬鹿になる」この言葉は同等の意味だと思います。
単純だけど、それ位の気持ちじゃないと「動けない」だろうし「始まらない」と思う。
BILLの握手はとっても力強かったです。
● 今の時代は世の中だけでは無く、神様も「不景気なのかな?」と思えてなりません(笑)
そんな神様に何か注意するとしたら‥?
僕だったら『無難が一番格好良いとする、現在の風潮は地球人として恥ずかしいから、どうにかしてくれ!!』って頼みますが(笑)
BILL
次はタフ(難しい)質問だね。
今、パッと頭に浮かんだのは全ての人達に「生きてる事をもっと実感して欲しい」って事を神様から諭して欲しいなって思うよ。
今、生きてられる事は当り前では無く、ずっと生きて行けるなんて事も無い。
どうしても、目の前の事だけを無難にこなすのは人間の性だと思うが、今しか出来ない限りない命なんだよ。
周り全てに感謝して生きなければならない事を悟らせて欲しいかな。
● その通りだね!
僕は新作を聴いた後、無性に「オリジナル・ブルースハーモニカ奏者」を聴きたくなりました。
大好きな<BIG WALTER HORTON>や<LITTLE WALTER>、そして<SONNY TERRY>などをね。
あとはハーモニカと言ったらジャンルは違えど<STEVIE WONDER>です。
ソウルとかもブルース同様にブラックミュージックとしてお好きですよね?
BILL
ここ数年は特に「ブルース」だけでは無く、「ソウル」あとは「ゴスペル」なんかも良く聴くようになったんだ。
アプローチが全く違う音楽なんで、僕みたいな白人の英国人からしてみれば(恐れ多くて)手が出せないって感じさせる「尊敬する別世界」なんだよね。
でも、そう思いつつも「謙虚に学ぶべき事」が沢山有るし、インスピレーションも凄い受けているよ。
あの人達の持つエネルギーの大きさ、100%の真剣さは共感するし、刺激されているかな。
● コレは恒例の質問になります。
FIREBIRDの楽曲しか演奏しない架空のカヴァーバンドを、故人も含めて構いませんので各パート選んで下さい。
冗談無しの真剣なチョイスでお願いしますよ!!
BILL
ワオッ!面白いな。
先ず「Jack Bruce」<CREAM>は絶対だね!!あの声は大好きなんだ!!勿論ベースプレイも信じられない程に最高さ。
僕もベース&ヴォーカルプレイヤーが理想だったんだけど、なかなかいないんだよね。
だから、ヴォーカルは僕がやる事になった訳さ(笑)
ギターは・・・「Leslie West」<MOUNTAIN>が良いな。
例の古いギブソンギターで弾いてもらいな。
そういえば「Jack Bruce」とも一緒にバンドやってたよね。
ドラムは「Don Brewer」<GRAND FUNK RAILROAD>が良いね。
派手さは無いけど、とにかくエネルギーの有る『決める時は決める!』ようなプレイが最高だから。
● あの「モミアゲ」と「アフロヘアー」も最高だよね!!
BILL
オォ!!それも最高だったのを忘れてたよ(笑)
いや、ちょっと待って・・・ギターは「Snuffy Walden」(STRAY DOG)にしようかな?
彼の方が「Leslie」よりも柔軟な演奏をするしレスポールでルーズなブルースをやったり、サントラで「アコースティックギター」の違った演奏もするしね。
● <STRAY CATS>じゃ無くて、STRAY DOGの方ね(笑)
僕達は13年続けるイベント「COLOUR SCENE」を開催しています。
しかしながら、色んなジャンルをゲストに呼んでいますが、メタル/ハードロック/ブルースロック等はなかなか来てくれてません。
動員は首都圏には負けますが、それでも来てくれた他ジャンルの海外バンドは『新潟がベスト・オーディエンス!!』と言ってくれます。ビルは来てくれますか?
本気の質問ですよ。過去のインタヴューでBILL自身が『3人しかいないから何処でも行くよ』って言ってたの読みましたしね(笑)
だってみんな次回は行くよって言って来た試しが無いから(苦笑)
BILL
(笑)そのイベント興味は凄い有るよ!!是非って感じさ。
● 本当!!それなら次回のJAPAN TOURの時に『ニイガタシティー』ってレーベルの宮本さん(トゥルーパー・エンタテインメント)にBILLから言ってよね(笑)
BILL
判ったよ(笑)
● 最後にコレを読んでいるファンでは無く、敢えてマニアックに音楽を聴いていない全ての方にメッセージを下さい。
あと最後に今日のインタヴューを「お約束無し」のリアルな感想を貰えますか?
BILL
まずは今日のヒロのインタヴューは凄い興味深かった。
いつも聞かれない内容ばかりだったからお陰で目が覚めたよ(大笑)
それと、みんなには長年応援してくれて本当に感謝しているよ。
去年に<CARCASS>で来日した時に、どれほど<FIREBIRD>のアルバムにサインした事とかね。
本当に驚いたし、可成りのショックな出来事だった(笑)
日本での実績は、自分達の中でも凄い大きいんだ。他のヨーロッパの反響と比べてもね。
セールスを含めても、凄い感謝しているよ!!
● 有り難う!!またお逢いしましょう!!
BILL
勿論!!(笑)
<あとがき>
と言った具合で終了です。
写真や映像でずっと観て来たBILLは、印象通り「凄い目と髪の綺麗な紳士」でした。
午前中のインタヴューでも嫌な顔せず、一つ一つの質問に真剣に答えてくれたBILLに感謝です。
その後のライヴも音楽性が今回のフェスでも異例な抜擢で、お客さんも前半は初体験的な驚きを見せていましたが(他の出演バンドや外国のお客さんは最初から凄い興奮してましたよ)、最後のブルースハープ演奏(ギター演奏無し!!マイクとハーモニカだけで熱演!!)で会場全体を絶叫させていました。
あの気持ち良さと向上感は忘れる事が出来ません。次は新潟で観れるのかな!?(笑)
それまでは、みんなで擦り切れる位にアルバムを聴いて待っていましょう。
※彼の活動した3バンドのヴァイナルビニールを持って全てにサインして貰いました。彼は驚いていたけどね。やったね、家宝、家宝!!(笑)
アイテム
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