CULTURE / カルチャー | 橋本直樹 & 安井義博 (OUTRAGE) / INTERVIEW商品画像

CULTURE / カルチャー

橋本直樹 & 安井義博 (OUTRAGE) / INTERVIEW

2015年10月7日に前作「OUTRAGED」から2年、待望の新譜「GENESIS 」をリリースしたばかりの<OUTRAGE>ですが、久々にインタビューさせて頂く事になりました。


内容を知った方はお分かりでしょうが、今作は可成り興味深い作品になっております。


1982年に結成され、私自身も中学時代からずっと聴き続け、ライヴに行き続けているバンドですので、とても光栄に感じています。


先程も少し書きましたが、今作は国内の70年代等に活動していた初期ロックバンド達のカヴァーと未発表のオリジナル楽曲を収録した変則的な新譜となっており、その辺は勿論ですが、前作から今作に至るまでの色々な質問をしようと思っております。



そして今回は同じ質問を別々のタイミングで、ベーシストの安井さん、ヴォーカリストの橋本さんに答えて貰っています。二人の違いも可成り面白いかなと思います。
それでは、ごゆっくりとお楽しみ下さい。


※今回はメールインタビューの形式になっており、何時もの様なキャッチボール的な展開が有りませんので、御了承下さいませ。同内容でも絶対に直接インタビューしたら、もっと良くなるのは分かるので、私の「もどかしさも」ご理解して頂けたらと。
メールでの解答なので、一言で終わる可能性も高く不安でも有ります(笑)


Interview. 橋本直樹(vo.) & 安井義博(ba.) Interviewer 遠藤博美(SIDEMILITIAinc. 代表)


 

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以前に共演や何度かインタビューさせて頂いた新潟のSIDEMILITIA inc.遠藤です。


以前から橋本さんにはよく『おぉ!越後の』と云われ続けておりますが(笑)
今回はメール形式となり、お二人に同じ質問をさせて頂きますが、宜しくお願い致します。


 

安井



ヨロシクお願いします!


 

 橋本



遠藤さん、ご無沙汰致しております。こちらこそ宜しくお願い致します。


 

先ずはCDのライナーや、どの媒体でもドラマーの丹下さんが答えてたりしますが、久々のリリースがカヴァー半分の作品になったまでの経緯や、その方向性がバンドとして決まった時の気持ちなどを教えて貰えますか?


 

安井



元々は、伊藤政則氏が『OUTRAGEは作曲のペースが遅いから、次のオリジナル・アルバムを出す前に、何かファンの皆さんが喜んでくれる様な物を発表したらどう?』と言う事で、カヴァーアルバムはどうか?と言うアイデアがあって、


オリジナル曲に関しては以前から橋本(ヴォーカル)が言っていたんだけど、彼が脱退する直前にやっていた曲や未発表の曲等をもう一度発表したいというアイデアがあって、だったらそのアイデアを一緒にしようって事で結果的に今回の形になりました。


俺としては、ファンの人達にカヴァーはカヴァーとして、オリジナルはオリジナルとして、今回のアルバムで<OUTRAGE>に対してまた新たな発見をしたり再確認したりして<OUTRAGE>サウンドを楽しんで貰えるはずだし、斬新でスペシャルな物になるとも確信してました。


自分自身も幅広いタイプの曲を演奏出来る事が新鮮で楽しみだとも感じていたし。


 

※伊藤政則……日本でもHM/HRに関しては最も影響力の有る音楽評論家。


 

 橋本



当初は、僕が一度脱退する前に録って未発表になった(その後トリオ編成になってリリースされた)曲などで、
12〜3曲入りのアルバムをセルフカヴァーという形でどうだろうみたいな話をしてたんだけど、
いろいろと調整がつかないこともあって、カヴァーと未発表を半々の2枚組みということに至ったわけ。


カヴァーの方向性ついては、それまでの少々お決まりの感じに飽きていたから(笑)<OUTRAGE>がこれまで先入観だけで避けてきたようなことに踏み込んでいこうということを念頭において考えていったんだよ。


 

私としては選曲されたアーティストを知った時に、可成り「パンキッシュ」なイメージを持ちました。


楽曲と云うよりは、その選曲に対してって意味です。


勿論、それだけでなくレコードのB面に当たる約半分は未発表のオリジナル楽曲を収録しているとしても、インディーなら扨措き、メジャー配給のアルバムとしては可成り冒険的な内容だと思います。


その辺はバンドとして『分かって貰えるかな?』って疑問や、『いや、ファンが期待している様な、初期のHM/HRの楽曲カヴァーしても仕様が無いし、格好良く無いだろう?』って話になったりすると思うのですが、実際はどうだったのですか?


 

安井



まずカヴァーに関して言うと、最初は<OUTRAGE>って云うバンドが音楽的影響を受けた「N.W.O.B.H.M」や「PUNK」、「HARD CORE」のバンドのカヴァーってとこからスタートしたんだけど、それだといつもと同じで目新しさは無いなって事で、色々なアイデアが出た結果こんな選曲になりました。


俺は最初、自分がよく耳にしてた海外の70年代から90年代頃までのROCKPOPS等、ジャンルとかは関係無しに、とにかくカヴァーしたいいわゆる洋楽ROCK””POPS”の好きな曲のカヴァーなんかが面白いかな?とは考えて、


結局そのアイデアは発表しなかったんだけど。そこで「70年代の日本のロック」はどうか?というアイデアが出てきて、そこで幾つか挙がって来た曲を聞いてみたらカッコ良い曲があったし、これは日本における ROCKの先駆者達としてリスペクトするべきバンド達だとも思ったんでこれはありだなと。


選曲に関しては最初、一人数曲ずつ挙げようって事で、結構色々なタイプのバンドの名前が挙がってきていて、その中の一つが<頭脳警察>で、そこで俺がひらめいたのが<アナーキー>、<外道>、<スターリン>。


特に<アナーキー>は中学生の頃に大ファンだったので、それこそ俺にとってはリアリティーがあってバッチリだと思ったし、<アナーキー>は1980年デビューのバンドだけど、別に70年代のバンドに限定する必要も無いんじゃないか?という事でカヴァーする事になりました。


あとは名古屋という事で、<野獣>や俺が中学生の頃ライブに通ってた<THE STAR CLUB>なんかも考えてました。


で、今回のカヴァーにパンキッシュなイメージを持ったってのも、実際<アナーキー>はPUNKだし、<頭脳警察>や<外道>もPUNKのアティテュードに溢れてるし、<THE MOPS>や<BLUES CREATION>も荒々しいROCKって事ではPUNK ROCKに通ずるものがあるので、その通りだと思います。


それに<OUTRAGE>は型にはまった音楽をやるバンドでは無いので、今回のカヴァーの選曲は<OUTRAGE>のある部分の本質を見事に表してると思うし、オリジナルに関しても、「ペケレイジ」(1987年にリリースしたデビューEP)から「OUTRAGED」(最新作)までのすべての楽曲と並べて聴いてみても間違いなく<OUTRAGE>の曲だと思う筈で。


俺にとっても今回はカヴァー曲が多くて、しかも日本語の歌詞が多いって事以外は何時もと変わってないし、何の違和感も無く作業をエンジョイ出来ました。


 

※野獣……名古屋出身のHRバンドで「のけもの」って読みます。70年代後半から活動し、1978年の<JUDAS PRIEST>来日公演ではサポートアクトとして共演、翌年の1979年にアルバムを1枚リリースしたのち解散した筈です。この安井さんの挙げたバンドですと今でしたら一番マニアックかなと思います(笑)ギターのツインリードが魅力的なバンドです。何度か再結成ライヴもしていたりします。


 

 橋本



僕以外の3人が比較的そういう感じなのかな。


彼らが何かを選択する時の思考が、遠藤さんが思うところのパンクっぽいのかもしれないね。


質問の「メジャー配給の….」については何の心配も問題もなかったよ。
ディレクターの"Nobby"さんは、そのキャリアのなかで<NIN>や<METALLICA><チルボド(CHILDREN OF BODOM)><GUNS N' ROSES.....etcといった世界でも有数のアーティスト達と、数え切れないほど現在も仕事をしている方なので、例えば俺達が命がけで何かを作り上げたとしても、さほど驚かないような人だから(笑)


カヴァーバンドについては俺達を知っている人達からすれば『まさかこう来るとは』って思うかもしれないけど、当初の候補に上がっていた「80年代の日本のメタルバンドの人達」にとってもルーツになっているかもしれない、日本のロックやポップス、パンク、歌謡曲などの音楽の根源ともなっている方達ばかりで、質問にあるような議論をそっくり包み込んでしまう大きさがあった訳ですよ(笑)


 

私自身のラジオやイベントで、今回のカヴァーされたアーティストは全てオリジナルを以前にオンエアしております。


先程も書きましたが、今回のカヴァーされたアーティストは日本のハードロックやパンク、つまり激しいサウンドを奏で始めた創世記の頃に活躍した方々です。


実際に今作でしたら<BLUES CREATION>、以前に発表していた<FLOWER TRAVELLIN' BAND>に関しては、可成り「DOOM ROCK」や「STONER ROCK」の要素も強く有るので、トリオ時代の<OUTRAGE>ファンにも分かり易いと思いますが、その他のアーティストは違います。


<はっぴいえんど>も「春よこい」などの違う楽曲だったら、その辺の要素も有りますが、「空いろのくれよん」ですからね(笑顔)


海外では「HM/HR」のファンや、それこそ「THRASH METAL」のファンが、例えば<BOB DYLAN>や<THE BAND>などのカントリーやトラッドフォーク要素を強く含んだ音楽も楽しんでる可能性が有ります。


しかしながら、日本では未だにその辺の隔たりは有ります。実際には一般的な近年のヴィジュアル系と云われるHM/HR要素が濃厚な音楽シーンに対しても同様の隔たりが有ったりしますので。


長く活動を続けている「OUTRAGE」だからこそ、その辺の原因や理由などを個人的にも疑問や不思議に感じたりしてますか?


 

安井



BLUES CREATION>、<FLOWER TRAVELLIN' BAND>なんかは今でこそ「DOOMSTONER ROCK」とも例えることが出来るね。


昔、初めてこの2つのバンドを聴いた時の印象は<BLACK SABBATH>みたいだと思ったし、そこがクールだとも感じました。


実は以前<CAUSE FOR PAUSE>(4人編成に戻った後での3人構成でライヴする時のOUTRAGEの別名称)で、<THE MOPS>の「iijanaika」をカヴァーしようと言うアイデアが出た事があるんだけど、


実際、トリオ時代の<OUTRAGE>は間違いなく「STONERDESERT ROCK」で、俺はそのつもりでやっていたし、特にその頃のスタイルが好きな人には<BLUES CREATION>や<THE MOPS>は受け入れやすいと思う。


そしてさっきも言ったけど「ペケレイジ」から「OUTRAGED」までの全ての楽曲を聴けば<OUTRAGE>には色々な音楽的要素が入ってる事が解るので、「空いろのくれよん」も「ふざけるんじゃねえよ」も「あぶらむし」も違和感無く感じるはずです。


日本と欧米での「ROCKという音楽の在り方の違い」に関しては、確かに日本と欧米を比較した場合、欧米ではCLASSIC ROCK等の「ROCK MUSIC」や「サブカルチャー」が幅広い層や文化に浸透しているし、ファンも多いと言う点は日本とは違うよね。日本では若い人達がCLASSIC ROCK等に触れるチャンスも少ないし。


あくまでもこれは俺個人的の意見だけど、まず極論で言うと日本には「ROCK'N'ROLLカルチャー」や「サブカルチャーとしてのROCK」というものは、基本的には無いに等しいと感じてるし、全てそれに尽きる。


勿論ある所にはあるけど、それはアンダーグラウンドで本当に小さな世界で、生活スタイルや宗教、社会的背景、文化的背景等、原因は色々あると思うけど、考えても俺がどうにか出来る様な事でもないし、それはそれで日本のスタイルだと思ってます。


ただ、本当に残念なのは日本にも「ROCK'N'ROLL」を感じられる本当に素晴らしいバンドが、アンダーグランドにも数多く存在しているのに、それを受け入れる土壌が日本には無いという事がとても残念だし、もしその状況が変わったら日本の音楽シーンはもっとエキサイティングでしかもグレードが高くなるんじゃないかな。


知ってのとおり日本でも「ロック」は人気があるけど、これは「ROCK'N'ROLLカルチャー」とは別のカルチャーだと思ってます。
しかし基本的にはROCKは自由な物だから、本人がエンジョイ出来れば何でも良いんだけど。


 

 橋本



<はっぴいえんど>は僕が提案し、当初考えていた曲は「風を集めて」か「風来坊」だった。


<はっぴいえんど>はバンドに反対されるだろうと分かっていたから(案の定だった:笑)最終的にやることになっただけで良かったんだ。


収録した「空いろのくれよん」は丹下(ドラマー)が選曲したが、<大滝詠一>さんの歌はとても個性的で途中ヨーデルのような歌いまわしもあったりして、とても難しいだろうなと思ったけど(もしかしたらそれを聴いて俺が諦めると思ったのかもしれないけど:笑)それよりも日本のロックやポップス、歌謡曲といった娯楽としての音楽の根源をなす人たちの歌が歌える事と、それを録音できることが嬉しかった。


またそういった隔たりは、僕自身が基準でしかないから僕の事でしか話せないけど、他との差別化を図る事によって自分の存在する場所を確保してきた様なところと、好みによるところも大いにあるけど、良い音楽を聞き分ける耳が備わっていない事だね。


 

先日<SOLITUDE:杉内さん>にもお伝えしたのですが、彼等は今回凄い画期的なツアーをしたと思います。


あれだけ長い活動を続け、更に知名度も有るメンツが揃ったバンドが、日本国内を可成り細かく廻り、更に各都市に合わせてチケット価格を変えている事です。
OUTRAGE
も初期には凄い数を廻っていましたし、HM/HR全盛期には他のバンドでも有ったと思いますが、それ以降の数十年ずっと実現してない事です。


本当に凄い格好良いと思いました。
激しいサウンドのバンドの括りで考えても、「HM/HR」「PUNK/HARDCORE」「VISUAL」の3つで、バンド数の比較については後で書きますが、ツアーするのは「HM/HR」が圧倒的に少ないと思います。


私は若手やビックネームのHM/HRバンド達が週末だけだとしても、そういった各地を廻るツアーをしないと、先程の質問内容を含めて新しいファン層に届かないと思っています。


その辺が同時期に産まれた激しい音楽である「PUNKHARDCORE」や「VISUAL」との差なんじゃないかなと思うんです。


その差とは知名度以前に、先程の「バンド数」の件になりますが、地方には「HM/HRバンド」よりも圧倒的に「PUNK/HARDCORE」「VISUAL」バンドの数が多いからです。


つまり「リアルに体感したか?してないか?」それが新たにバンドを組もうと思う十代の人数にも関わっているじゃないかって点です。


どんなに良い楽曲やアルバムを制作しても、ネット時代とはいえ、やはりツアーで色んな各地方を廻らければ、『自分はOUTRAGEのファン!!』と周りに言える様な強い気持ちになったりする「きっかけ」を失っているんじゃないかなと思う訳です。


この辺の「HM/HR」の現状についてはどう思いますか?


 

安井



まず日本において、「ヴィジュアル系」は一つの日本の音楽スタイル、そして文化として一般的にもしっかり根付いて、しかも世界中でもアニメやオタク文化等と共に「ジャパニーズ・カルチャー」として幅広く浸透しているし、「PUNKHARDCORE」はファッションとしても若い人達に「ストリート・カルチャー」として浸透しているよね。


HMHR」に関しては、海外ではメタルTシャツ等のファッションやイメージも含めた「HEAVY METAL」と云う音楽が「サブ・カルチャー」として、しっかり根付いてるし、広く浸透してるのに対し、


日本では「HMHR」は音楽としてはそこそこ人気もあるし、HEAVY METALバンドとしか言いようがない音楽をやってる「ヴィジュアル系」や「ラウド/コア系」と呼ばれるバンドも多く存在していて若い層にも人気があるけど、「サブ・カルチャー」としての「HEAVY METAL」は根付いてないというのが現実で、
そこが若い新しい層が「HMHR」に興味を持たない原因の一つだと思うし、それにもまた宗教や社会的背景、文化的背景があると思います。


もう一つは<OUTRAGE>や他の日本のMETAL BANDが様々な面で世の中に積極的なアピールをして無いという事にも確かに原因は有ると思うけど、その理由の一つとしては、ライブでの集客がある程度見込めないと金銭的な事も有り、なかなか遠い土地には行けないという問題があって、でも実際ライブをしないと広がりにくいし、難しい問題だよね。


ただ最近は<GYZE>や<HER NAME IN BLOOD>等の若いMETALバンドが出て来て、状況が少しづつ良い方向に向かってるとも感じてるけど。


しかし、日本では特に「HMHR」に関しては洋楽、邦楽の隔たりが大きいという問題があるので、理想としては、日本でも欧米のフェスの様に海外やドメスティックのベテランバンドや、若いバンドの激しい音楽をやるバンド達がごちゃ混ぜで出演するROCKフェスなんかがもっとあると良いと思うし、
そうすると「洋楽/邦楽」「古い/新しい」等の隔たりも無くなり、日本のMETALのクオリティも上がって、もっと盛り上がると思います。


実際には東京、名古屋、大阪等のアンダーグラウンドシーンではわりと頻繁に行われていて、それなりに盛り上がってるけど、それをもっと他の地方都市でも開催したり、アンダーグラウンドシーンには詳しく無い人達も巻き込む様な規模でもやる必要はあるね。


 

 橋本



『リアルに体験したか?否か?』まさにその通りだね。


僕もずっと音楽活動をしていく上で、少しでも良い環境を作りたいと考えてはいるんだけど、ままならなくてね。なかなか新潟にも行けなくてごめんね。


そんな中でも、有難いことに僕個人にお声掛けして下さる方もいて、<OUTRAGE>以外の活動もさせて頂いているので、今後より一層活動範囲が広がっていく事を期待しているところでもあるんだ。


話しを戻して「HM/HRバンド」よりも彼ら(PUNKHARDCORE」「VISUAL)の方達の方が実際に楽しいライブをやっているのかもしれないね、今度新潟に行く機会があれば、そういった「くくり」なしで共演させて頂きたいですね。


 

今回の新譜のオリジナル未発表曲ですが、細かな決めの箇所には初期からの<OUTRAGE>要素を感じますが、
前作からの流れで有る新しい方向性を強く感じます。


それこそ、HM/HRの手癖が有るPUNK/HARDCOREバンドって感じています。


凄い個性的です。その強い要素は楽曲構成もそうですが、やはり前作の特徴である「コーラス・ワーク」です。


前作程、コーラス・ワークが目立ちまくるアルバムも今まで無かった様に思います。


実際に前作の後に制作されていたのか、それとも前作時には有ったけど発表してなかったのか分かりませんが、
現状の<OUTRAGE>は本人達にとって、意識的に次の段階に進んでいる様な状態なのでしょうか?それとも全く無意識だし変わってないよって感じでしょうか(笑)


 

安井



俺は<OUTRAGE>を始めた時からPUNKのアティテュードを持って、HARDHEAVYLOUDなロックバンドをやるつもりで<OUTRAGE>を始めたので。


HM/HRの手癖が有るPUNKHARDCOREバンドって感じるのも全くその通りだと思うし、特に「THRASH METAL」は元々HEAVY METALPUNK ROCKを自由にミックスしたもので、それに本来<OUTRAGE>は、表面的な「型」としてのHEAVY METALでは無く、自分達の思う「HEAVYサウンド」を追求してるので、そこが個性的と感じるんじゃないかな。


で、今回録音したオリジナルでは「SUNNY DAZE」と「BURRIED ALIVE」は、「WHO WE ARE」(7作目のフルアルバム)の次のアルバム用に書いた曲で、「BURRIED ALIVE」はトリオOUTRAGEバージョン(8作目のフルアルバム「24-7」に収録)としても2バージョン存在してます。


実はトリオOUTRAGEでやってる曲の何曲かはその当時にやっていた曲で、その中から他にも候補曲はあったんだけど、色々な事情で出来無かった。


後の3曲はリユニオン後に出来た曲で、「SHADOW OF FEAR」に関しては前々作の「OUTRAGE」(10作目のフルアルバム)アルバム用に書きました。


現状としては、俺は常に自分にとって新鮮で刺激的な事をしたいと考えているんで、そう言った意味では意識的でもあり無意識にでもありな感じで次の段階に進んでいると言えるけど、<OUTRAGE>を始めた当初からそうなので変わって無いとも言えます。


 

 橋本



OUTRAGED(2013年リリース)の録音の時に『おそらくみんな歌いたいだろうな、もっと目立ちたいだろうな(笑)』と思ってね。


ガンガンやってよって。
そうしたら、やっぱり楽しかったんだろうね。だからその流れだよ。


曲が出来た時期に関しては↑安井が答えてる?うん、そういう事(笑)
同上作品のリリース後に色々あって、個人的に次に向かう気力を失くしてね。


そういった流れの中で今作をリリースすることができた訳だから、次に向かっていって欲しいとは思っているよ。


 

隠し様の無い事実で<OUTRAGE>は活動も長く、知名度も大きいバンドです。


実際に可成りの影響を与えつつも、止まる事無く活動を続けているバンドでも有ります。


激しい音楽にも沢山の側面が有りますが、やはり大きな魅力は「速さ」と「重さ」だったりします。


この2つの要素は、HM/HRバンドにとって、とてつもなく大きい魅力です。
安井さんは別バンド<CROCODILE BAMBIE>で「重さ」を比重においた活動もしておりますが、
お二人にとって個人的にでは無く<OUTRAGE>のメンバーとして、現状では追求していきたいと思っている側面が「速さ」「重さ」のどちらか?教えて貰えますか。


勿論、両方揃って格好良いのも分かりますが、現状ではどちらが気持ち良いか?でお答えして頂けたらと思います。勿論、理由も有れば。


そして、その2つの要素以外でお二人が「強めたい/取り入れていきたい」と思っている側面を一つ挙げるとしたら何なのかを無理矢理でも良いので考えて貰っても宜しいでしょうか?


 

安井



OUTRAGE>は、速くて重くてメロディーがはっきりしてると云うのが重要なポイントなんだけど、速い曲や重い曲は最近では誰もがやっているので、今となっては俺には重要な要素では無い。


もし、速さを追求するなら「GRIND CORE」以上に、重さを追求するなら「DOOM ROCK」以上に究極を追求しないと面白く無いとも感じてます。


そこを敢えて<OUTRAGE>のメンバーとして今どっちを追求したいか言うと、ズバリ「速さ」かな。


何故なら速い曲を聴くと単純に血が騒ぐので、ライブの時に皆が暴れて会場中がカオス状態になったら最高に楽しいから。でも、喧嘩はダメだけど!(笑)


今後新たに「強めたい/取り入れていきたい」要素としてはとにかく「バカバカしくてクレイジー」と言うのがキーワードで、本来ROCK、特にMETALはそういう物だと思ってるし、そこが俺がMETALに魅力を感じる重要なポイントでもあります。


ところで<CROCODILE BAMBIE>に関しては重さは勿論、ポップ感、トリップ感、グルーヴ感も重要な要素です。


 

※ CROCODILE BAMBIE……安井さんがヴォーカル&ベースを務めるバンド。音源を1枚リリースしており、ライヴ活動も活発に行っています。安井さんらしさ全開で、トリオ時代の<OUTRAGE>とはまた違う格好良さです。


 

 橋本



「速さ」かな。


具体的には阿部(ギター)が書く曲には「速さ」を、安井の曲には「重さ」を、丹下が書く曲には「バラード」を、ちなみに僕が書く曲は<OUTRAGE>には若干不向きなのでソロ、もしくは何か他の企画でなんて夢みたいなことを憧れのようにいつも思ってる。


「強めたい/取り入れていきたい」要素は四六時中聴いていても、ずっと飽きないで聴いている人のビタミン音楽であり続ける事。


これは、このバンドにということじゃなくても、ミュージシャンとしての僕自身の憧れであり、夢でもある。


 

前半最後の質問です。


制作する楽曲の変化に対しての重要な要素/ポイントって、メンバー間同士の「印象の変化」が深く関わってくると思うんです。


バンドの音楽性を含めた方向性ってメンバー間の付き合い方や接し方の変化と同義じゃないかと。


自分以外の各メンバーの現在の印象/過去との違いを教えて貰えますか?


 

安井



まず俺と丹下は同級生で、阿部は一学年下だけど、小学校から中学まで一緒で、バンドを14歳から組んでるって事、そして橋本は17、18歳の頃から知っていて、この四人の<OUTRAGE>としては30年やってるって事。


しかもこの30年の間に長期レコーディングや長期ツアー等でずっと顔を会わせてきているし、皆独立した大人で、それぞれの生活スタイルもあるので、お互いに用事がない限り普段は会わないし。


もう昔からそんな感じで、作曲に関しては俺の場合、30年前に「STEP ON IT」や「DEATH TRAP」を書いた当時から最新の曲まで作曲は殆んど自分一人で好きな様に書いていて、今でもそれは変わってないので、メンバー間同士の「印象の変化」が方向性に影響してくることは俺の場合にはほぼ無いです。


バンドとして唯一影響が有るとすれば、以前に橋本が一時復帰した頃には俺は半分脱退状態だったので、橋本復帰後の<OUTRAGE>アルバムの作曲に俺は以前ほど関わって無いと言う事が、以前との違いとしてアルバムの音楽性を含めた方向性に影響していると言えるかも。


他のメンバーに対しての印象としては、皆いいオッサンだし、そんなオッサンに俺は興味が無いし、何の印象も無いよ。


過去との違いは、皆歳をとって一段と極悪人の本性が現れてきた事で、とても最高だね。
これこそ<OUTRAGE>だよ。(笑)


 

 橋本



みんな変わらないね。音楽の方向性が移り変わっていく流れ方も変わっていないように見えるけど、
その時、各自の中で流行っているものや、印象に残っているものの影響を出すというスタイルだね。


 


後半最初の質問から自由パートに突入します。ずっと聞きたかった質問ですので個人的にも、そして昔からのファンにも興味深い質問かなと思います。


それは1993年にリリースした通算5作目のフル・アルバムである「SPIT」についてです。


過去の名作再現ライヴは有りましたが、この作品は20年以上経った現在でも有りません。


OUTRAGE>の全アルバムでも、最もカルトな位置になっている気もしますが、実際に私がリアルタイムで聴いた中では、衝撃度ナンバーワンがこのアルバムですし、確かに他のアルバムとは明らかに違う感触ですが、未だに楽曲やサウンドの質感含めても名作だと思っています。


寧ろカルトで括るのなら、前作の「OUTRAGED」の方が最もマニアックで異質なアルバムと思っていたりします。


お二人にとって、あのアルバムを振り返るって意味では無く、実際に今聴いてどう感じますか?
そして色々な意味で「再現ライヴ」は実現可能だったりするのですか?


 

安井



先ず言える事は、俺は「SPIT」アルバムは大好きだと言う事。


確かに以前のアルバムと比べて異質だと云うのも理解出来るけど、前作とは違うと云うのは当然で、初めて<OUTRAGE>のオリジナル曲を作った頃と同じ様に、ただ<OUTRAGE>としてやりたい事をやった結果なので、自分としては異質とは思わないし、曲の出来にも満足しているので今聴いても良いアルバムだと感じます。


また、<OUTRAGE>はアルバムごとに進化、成長するものだと思ってるので、異質というよりも成長した<OUTRAGE>の新たな一面を提示した作品で、間違いなく<OUTRAGE>のアルバムの一つだと自信を持って言えます。ただそれまでのアルバムとは大きく違う違う点は、レコーディング作業が夕暮れから夜明けまでで「昼夜逆転」だったと云う事かな。


「再現ライブ」に関してはやろうと思えば可能だし、今までやってない事に深い意味はないんだけど、「THE FINAL DAY」まではどっちかと云うと勢い重視だったのに比べ、「SPIT」はスタジオで作り込んだ「ある意味実験的でもあるアルバム」なので、家でじっくり楽しむのに向いてるかも。
いずれチャンスがあればやってみたいね。


 

 橋本



発表当時は僕自身も遠藤さんと同じように、少々異質な仕上がりなところを感じていたけど、今改めて聴き返してみると当時の印象とは違って聴こえる。


違和感を感じないね。


それから再現ライブのことだけど、僕自身は再現ライブはありですよ。


ただ、同じ雰囲気が出せるかどうかは、
やってみなければわからないけど。それではあまり意味がないかもしれないけどね。


 

次は今年、お二人が個人的に一番聴いてるアーティストやアルバムなどを教えて貰えますか?


縛りが有るとすれば、<OUTRAGE>の音楽性と全く違うタイプのアーティストでお願い致します。


 

安井



難しい質問だけど、あえて挙げるとしたら<PINK FLOYD>や<GREATFUL DEAD>や<LED ZEPPELIN>等のCLASSIC ROCK全般。ある意味、全く違うとも言えないけど。


全く違うとしたら<BEASTIE BOYS>や<CYPLESS HILL>等かな。


 

※ CYPLESS HILL……1991年に結成されたHIP-HOPグループ。アートワークやリリック、サウンドに至るまでマリファナの合法化を主張し続けていたりしており、STONER ROCKに近い印象も受けます。ROCKアーティストとも密接な関係を持っているグループです。


 

 橋本



ここ数年来、ラジオで流れてる音楽ばかり聴いてる。


民謡からロックまで受信できるチャンネルの中で、主に音楽が流れてる時の局を選んで。


あとはたまにインターネットラジオで、カントリーやジャズを聴いてる。


 

アパレル業を営む者としても、そして昔から応援し続けているファンとしての質問と云うか提案です。


ライヴでの音源再現ライヴは有れど、当時のTシャツデザインの再発や、各アルバムジャケットのTシャツをリリースする事には、抵抗が有ったりしますか?


私としては長い活動だからこそ、当時買えなかった方や、ジャケット・デザインなどのオールドスクールなデザインの復活を求めてる方が多いと思うんです。


音源も同様にトリオ時代の音源が入手しにくくなってますし、その辺の諸々の「復刻」ってワードについては、どうお考えだったりしますか?コラボで制作させて貰いたい位の気持ちです。


今さら振り返る位なら、新しいものをって考えのアーティストも多いと思いますが


 

安井



復刻は需要があれば全然有りだし、色々なコラボも全然有りで、ナイスでクールなアイデアがあれば、いつでも何でもやりたいです。


 

 橋本



僕はその辺りの拘りはあまりないかな。あまりに雑な作りでなければね(笑)


 

長々とインタビューにお付き合いして頂き、有り難う御座います。


最後にこのインタビューを読んでいるファンや、弊社のインタビューではよく有る事ですが、このインタビューで始めて<OUTRAGE>を好きになった方へのメッセージを頂けますか?


そしていつも聞いておりますが、個人的に次回のインタビューさせて頂く際に参考にしたく、今回のインタビュー全体の感想も私自身に頂けたらと思います。


 

安井



もし、本物のROCKを求めてるなら、是非俺達のヘヴィーな本物のROCKを聴いてぶっ飛んでください。


インタビュー楽しかったです。音楽が好きなのが伝わってきました。有り難うございました。


 

 橋本



どこかで僕達のライブを体験して頂いて、それから後も応援して頂ける様なご縁であれば幸いです、今後とも宜しくお願い致します。


第一印象として(今までの)遠藤さんのインタヴューの感じより、良く変化しているなと思いました。


 

OUTRAGE New Album「GENESIS 機



レーベル:UNIVERSAL INTERNATIONAL
品番:UICN-1080
価格 : \3,780(税込)


-解説-
2013年『OUTRAGED』をリリースし精力的に活動をしてきたバンドが今年自身の尊敬する日本の諸先輩方のロックをカバーする。


バンド自身の未発表曲を含む全13曲収録。


ミックスにはイギリス人エンジニアRus Russelを起用。


DVDにはカバーをした諸先輩との対談他、メイキング・ザ・レコーディングを収録。


 

 
セレクトショップ SIDEMILITIA(サイドミリティア)通販サイト
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